昭和18(1943)年、瀬戸内海で原因不明の爆発を起こし沈没した戦艦「陸奥」の船影をとらえた立体画像がある。「悲劇の戦艦」と呼ばれた陸奥の船影は、第6管区海上保安本部が撮影した。陸奥は連合艦隊の旗艦として活躍したが、昭和18年6月8日、広島湾に近い周防大島町伊保田沖の柱島水道に停泊中、大爆発を起こし沈没した。総員1471人、うち死者1121人、生存者わずか350人。原因は現在も分かっていないが、3番砲塔付近から煙が上がり爆発、一瞬で船体が真っ二つに折れ、死者のほとんどが溺死ではなく爆死だったほどの大惨事だった。小説「陸奥爆沈」で、吉村昭は放火の可能性を指摘している。